紙吹雪
その嬉しそうな表情は勝太ですらそうお目にかかれないほどのもので、言葉通り満面の笑みを浮かべていた(つまりかなり貴重な光景)。
「…いやに嬉しそうだな。何かあったのか?」
歳三のあまりに極端な反応に勝太は不思議そうに首を傾げる。
当然の質問だ。
普通物取りが出たと聞いて喜ぶ人間はそういない。
勝太の疑問にぎくっと体を揺らし直ぐ様固く口を結ぶ歳三。
その頬は不自然なほど真っ赤に染まっていて。
そんな歳三の様子に、更に不思議そうな顔をする勝太。
「…歳、一つ聞いていいか?」
竹刀を脇へ置き静かに近づいてきた勝太に、歳三は視線だけをちらりと向ける。