紙吹雪




「…本当は何か知ってるんじゃないのか?あの日から…何か変だぞ、お前」




心配そうに問い掛ける勝太だが、歳三は口を閉ざしたまま俯き一向に言葉を発しようとはしない。


まるで言いたくないとでも言うように、手のひらをぐっと強く握り締めている歳三。


そんな時間が続くことたっぷり数十秒。


突如勝太は歳三の右頬を掴み、己の力の限りその頬を横へと引っ張った。




「とぉーしぃー!?いいか!本当のことを言え!それとも俺には言えないようなやましいことでもあるのか!?どうなんだ!?」




ギリギリと効果音がつきそうなほど強く摘まれ伸びている歳三の右頬。




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