紙吹雪
そのまま遠く空を仰いだ。
見えるのは既に三度目の衣替えを終えた空。
それはあの日のような色を纏っていて。
そんな空に一度綺麗な笑みを映すと歳三は静かに語りだす。
「俺…さ、かおに特別じゃないって言われて、かなりへこんだんだけど…でもやっぱ嫌いになれなくて。つーか寧ろどうしようもなく好きでよ」
情けねぇよな、と笑いながらもそう語る歳三の表情は満ちた月のように柔らかい。
その顔が何を物語っているのか。
それがわからない勝太ではない。
「だから決めたんだ。俺はかおを信じて、味方でいるって」
そう語る歳三の目は一筋も揺らぐことなくしっかりと前を見据えていた。