紙吹雪
こう見えて人一倍頑固な歳三は良くも悪くも己の本能に忠実に生き、自分を崩したりすることは滅多にない。
ましてや人に頭を下げてまで頼みごとをするなど想像も出来なかった(奉公先に暇を出されたときですら悪怯れた様子一つみせなかった男だ)。
そんな歳三が必死になって頼みごとをしている。
勝太にはそれを断る理由など一つだって見つけられはしない。
「…仕方ねぇなぁ。俺も手伝ってやるよ」
軽く溜息を吐きそう言った勝太だか、その顔には呆れの混じった柔らかな笑みが浮かんでいた。
「ほ、本当か!?ありがとな、勝っつぁん!!」