紙吹雪
思い出すとどことなく気恥ずかしい。
「…そのあとよ…俺が言ったことも、ちゃんと覚えてっか?」
「そのあと…?」
勝太が指すのは俺と勝っつぁん何が違うんだーという歳三の文句の後。
その言葉に歳三は首を捻る。
あの時、完全なる愚痴を溢した歳三に対して勝太が言った言葉。
それは歳三に何かを気付かせるきっかけを作った大切な言葉。
『一人の女を愛してみる、とか』
「…あ…」
思い出した言葉に思わず口から漏れた声。
思い出したか?と笑う勝太に素直に頷く。
あの時言われたそれは、実に勝太らしい一言。