紙吹雪
一人の女に本気で惚れ込むなど有り得ないと即座に切り捨てたはずのそれは、今歳三が現在進行形で成し遂げていることで。
無意識のうちに知ったその感情。
そして、そんな歳三を勝太は"変わった"と言った。
「今の歳は…あの時より確実に、お前のなりたい"お前"に近付いてるんじゃないのか?」
そう言った勝太に歳三は目を見開く。
誰かを羨むだけだった自分から、何かを守るために立ち上がろうとする自分へ。
それは間違いなく歳三が憧れ続ける"武士"の背中。
本気になることを知ったからこそ踏み出せた一歩。