紙吹雪
そこへ
「土方さぁぁぁああああん!!」
思わず肩を揺らすほどの大声を上げて走ってきたのは稽古着を着たままの惣次郎で。
彼の焦ったように開かれた瞳を見た勝太と歳三は何事かと顔を見合わせた。
「どうしたんだよ惣次郎。んなに慌てて」
落ち着かせるようにゆっくりと問い掛ける歳三を、肩で息をしながら真っすぐに見つめる惣次郎。
そして一度深く息を飲み込むと一瞬の躊躇いもみせず、ずいっと歳三に向かって右手を突き出した。
不審に思いながらもその手に目をやる歳三。
そして目を見開いた。