紙吹雪
「あー…うん、わりぃ。で…あれか…?惣次郎、は…その…かおを…知ってる、のか…?」
謝りながらもちらちらと惣次郎を見やる歳三。
聞き辛いと思っているのか歯切れが悪そうに口籠もる。
だが、それは歳三が一番気になっていること。何故、と。
誰から見ても動揺を隠せていない歳三をよそに、惣次郎は何でもないことだといった顔で当たり前のように口を開いた。
「はい。先生がいらっしゃらないときとか…よく剣の相手をしてもらってて。それに…僕はもっと前から彼女のことを知ってます」
唖然とするとはこういうことだろう。
歳三は開いた口が塞がらない。