紙吹雪




俺のほうが危ない、か…


…かおの奴…俺のしたいこと、よくわかってるじゃねぇか。




クナイを握り締めた手がずしりと重く感じるのは、図星を突かれたせいか。


それとも彼女の思いを知ったせいか。




「一応、自分で渡したらとは言ったんですけど…今は顔が見れないからって…」




それで僕が受け取ったんです、と惣次郎は困ったように笑う。


確かに歳三と馨の間にあったことを考えれば馨の行動は当然なのかもしれない。


誰だって気まずさを感じるはずだ。

歳三自身も馨と顔を合わせるのは怖いのだから。


だが、歳三の中でそれ以上に強いのは"彼女にもう一度会いたい"という、ただそれだけの思いで。




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