紙吹雪
手のなかの重さがそれを物語っている。
「…土方さんは…馨が何を探しにここに来てるのか、知ってるんですか…?」
一人そんな物思いに耽る歳三の横に立ち、ぽつりぽつりと問い掛けを零した惣次郎。
問われた質問の内容に一瞬反応が遅れたものの、歳三は素直に首を振り是の返事を返した。
「つっても、刀だってことくらいだけど」
つい先程、庄左衛門から聞いたばかりの話だ。忘れるはずがない。
思わず"村正"の名前は伏せてしまったが。
それは心底驚く内容で、己の耳を疑ったほどのもの。
しかし、次に続いた惣次郎の言葉に歳三は更に己の耳を疑うことになる。