紙吹雪
「馨が探してる刀は…その…"紙吹雪"っていって…よ、妖刀、なんです」
「「か、かみ…ふぶ、き…?」」
まるで合わせたかように重なる勝太と歳三の声。
聞き慣れない名前に眉を顰めた二人の視線が自然と惣次郎に注がれた。
「僕も…詳しくは知らないんですけど…」
そんな二人の視線に居心地悪そうに苦笑しながらも、そう一言断りを入れてゆっくりとした口調で説明し始める惣次郎。
そうして聞いたのは信じがたい刀の話。
惣次郎曰く、一振りにしてその場に竜巻の如く突風吹き荒れ、かまいたちの如く体中に無数の傷を刻み込むことが出来るといわれている刀。
それが【紙吹雪】。