紙吹雪
「んじゃ、今後は石田散薬を御贔屓に…って宣伝しといてくれや」
馨の前にしゃがみ目線をあわせると歳三は、どうだ?と首を傾げて馨に聞く。
馨は恥ずかしそうに顔を赤らめると
「はいっ」
と小さく笑った。
ドキンッ
「─────────ッ」
歳三の心臓が大きく跳ねる。
まるでこのまま止まるんじゃないかと思うほどに強く大きな衝撃。
しかし、心臓は止まるどころか、ますます早く動きだした。
「じゃ、じゃあなかお!気ぃつけて帰れよ?」
尋常じゃない心臓の動きに必死で耐えながら笑ってそう言うと、歳三はくるっと馨に背を向け歩きだす。
今まで感じたことのない衝動に歳三は、このまま馨の近くに居たのでは身が保たないと感じたようだ。