紙吹雪
しかし、協力を頼むために話を聞きに行った庄左衛門曰く間違いなく同業者だそうだ。
「…本当に、かお…来んのかよ」
「絶対、来ます」
「………」
惣次郎を真ん中に挟み、物陰に隠れひっそりと店を窺う三人。
そんな中で小さく独り言のように呟かれた歳三の言葉。
それでもかなりの至近距離にいた惣次郎はしっかりとその言葉を拾っていて。
歳三の機嫌が悪そうな声に、自信満々の笑顔で即座に答える惣次郎。
そんな余裕な惣次郎とは対照的に、歳三の周りからは形容し難いほどのどす黒い空気が流れ出ていた。