紙吹雪




そして、惣次郎の言葉に更に深く刻まれた歳三の眉間のしわ。


三日前のあの日から、歳三の雰囲気はすこぶるおかしい。




「ど、どうしたんだ歳。なんか…怖い、ぞ…?」




一段と強張った歳三の表情を見て、流石にこの雰囲気はまずいと悟った勝太が心配そうに声をかけるが


「…別に」


と不機嫌そうな声が一言返ってくるだけ。



しかし、当然ながら何もなかったなどということがあるはずもなく。


歳三の不機嫌さの原因。


それは紛れもなく今隣に座っている小さな少年…沖田惣次郎で。


無意識に歳三の視線は惣次郎へと向かう。




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