紙吹雪
あの日の会話以来、歳三は惣次郎に対して言い知れない苛立ちと焦燥感を抱いていた。
いや、少し違うかもしれない。
それは決して惣次郎の態度がどうだった、などという惣次郎本人に対しての感情ではないのだ。
寧ろ馨の情報を教えてくれたことな関しては、言葉にしきれないほど感謝している。
しかし、それでも歳三の中でどうしても整理のつかないことが一つ。
…っ何で惣次郎のが…俺よりかおのこと知ってんだよ…
惣次郎が自分より馨のことを知っている。
それだけがどうしても納得いかない。
それがただの独占欲なのだということは、歳三もよく理解しているつもりだ。