紙吹雪
だが、頭で理屈を理解しているからといって、それを心が受け入れられるのかといったらそれはまた別の話で。
「………………」
こんな大事なときに自分を埋め尽くす感情が子どもじみた嫉妬だなんて情けないにも程がある。
そうわかっているのに一向に消えてくれない深い黒の渦に歳三自身、苛々の限界を感じていた。
だー!!そもそも、こんなうじうじうじうじしてるなんて…俺らしくねぇ!!
「…おい惣次郎!!」
「はっはい!何でしょう、土方さん…!!」
我慢など出来るはずがない。
遂に痺れを切らしたのか、ガッと音がしそうな勢いで惣次郎を見やり逃がさないとでも言うような表情で声を張り上げた歳三。