紙吹雪
鬼のようなすごい剣幕で迫られ知らずのうちに背中に冷や汗を流す惣次郎。
しかしそれが機嫌の悪い原因だったのかと理解すると、ポンッと軽く右の拳で左の手のひらを叩き歳三を見やる。
その顔は小さく困ったような笑みを浮かべていて。
そんな惣次郎の顔に、少しばかり分が悪そうに視線を彷徨わせ頭を掻く歳三。
惣次郎は居心地悪そうにしている歳三にもう一度小さな微笑みを向けた後、歳三の耳元に近づき囁いた。
「僕と馨は…」
「………………………!?」
その言葉にカッと見開かれた歳三の瞳。
耳元で告げられたのは己の耳を疑いたくなるような言葉。