紙吹雪
歳三の言葉に再び馨の体が反応する。
今度は先程よりも大きく。
その体は微かに震えていた。
しかし、そんな小さな異変に気付くものは誰一人としていない。
「かっ関係な…「かお」」
戸惑いを隠すようにすかさず声を出した馨。
だが歳三はその言葉を遮るように静かに馨の名前を呼んだ。
まるで、その先は絶対に言わせないとでも言うように。
そしてその眼差しは一瞬もぶれることなく馨を捕らえ続ける。
言葉では表し尽くせない感情を乗せて。
今度は、引いてやらない。