紙吹雪
「惣ちゃん!早う…早う歳さんきちんと手当てせな…!!」
早口で急ぎまくしたてるよう惣次郎の名を呼ぶ馨。
その声にはっとした様子で動きを取り戻す勝太と惣次郎。
急いで歳三のもとに駆け寄りその体を支える。
しかし、この暗い部屋の中では手当ての仕様がない。
「はは…わ、わりぃな。二人とも」
片方の口の端を上げ嘲笑にも似た苦笑を漏らす歳三に、勝太は呆れたような溜息を、惣次郎は心配そうな溜息を零す。
そんなあからさまな二人の反応に、更に苦笑を濃くする歳三。
同時にそれでも見捨てず傍にいてくれる二人に深く感謝した。
本当、世話かけるわ…