紙吹雪
「ならもう少し考えてから行動しろ。お前はいつもいつも突然なんだ」
「あー…体が…つい、な」
動いちまってよ…と反省しているのかいないのか、まったくもって曖昧な歳三の返事。
それでも"後悔"という感情だけは微塵も窺えない。
それは自分の命に代えても彼女を守りたかったという歳三の決意。
それを感じた勝太は呆れながらも満足そうに笑みを浮かべる。
とりあえず何処かきちんと傷を見れる場所に移動しなくてはと、勝太は歳三の体を背中におぶり馨を振り返った。
「馨くん!俺は歳を背負って一旦庄左衛門さんの家に向かう!」