紙吹雪
この間の家だと言う勝太の言葉に、馨は小さくしっかりと了承の意を示す。
それを確認すると同じように頷いて足を出口に向ける勝太。
すると、勝太の背中に担がれていた歳三が小さく馨の名を呼んだ。
聞こえた擦れがかったその声にふっと反応する馨。
そして
「…ごめん、ね…?」
馨の口から紡がれた言葉はいつものように優しくて。
心地好く聞こえる反面、どこか不安を覚えさせるその声色。
あー…くそっ…ぼんやりしてきた…
何処か気になる馨の一言に言葉を返そうと歳三は口を開く。
しかしその思いとは裏腹に体が言うことをきかない。
結局、紡ぎたいそれが音になる前に歳三の意識は深い闇へと遠退いていった。