紙吹雪




小さな小さな傷だらけの柔らかい馨の手には、歳三の堅い左手がしっかりと握り締められていた。


近くに置いてある桶と替えの手拭いが数枚。

どうやら馨が看ていてくれたようだ。


きゅっと結ばれている大きさのまったく違う二人の手。

そんな些細なことがとてつもなく嬉しくて。


手を繋いだまま眠る馨の姿が可愛くて愛しくて仕方がない歳三の顔は自然と柔らかく緩む。

所謂破顔というやつだ。


歳三はほぼ無意識的に、空いている右の手でそっと馨の髪に触れた。




…さらっさらだな…




撫でるように指を通せばさらさらと指の間を擦り抜ける絹のような髪。




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