紙吹雪
馨は両手で顔を覆いながらしゃくり上げるように泣き続ける。
ぼろぼろと溢れる涙は止まることを知らないようで。
どうしたらいいのかわからない歳三は、ただただ馨の背中を撫でてやることしか出来ない。
女の涙は慣れてると思ってたんだけどなぁ…
そう思うものの、本当に好きな相手に上手く立ち回るのは難しいようだ。
ゆっくりと宥めるように馨の背中を行き来する歳三の手のひら。
その暖かさに次第に落ち着きを取り戻したのか、馨はおずおずとその悲しそうに歪んだ顔を上げた。
「ふぇ…よかっ…歳さん、三日も起きんくて…!もし…このまま、おきっ起きんかったら、って…!」