紙吹雪
口元をへの字に歪めそう言う馨に、歳三の眉が申し訳なさそうに下がる。
俺、三日も寝てたのか…
自身が想像していたより遥かに長い時間意識が戻らなかったのだと知った歳三。
知らぬうちに何度か朝を迎えていたらしい。
そりゃあ…心配かけるわな。
馨の泣き顔は歳三の体の奥にずしりと響いて。
表面に見える傷ではない、形の無いそれが確かに痛むのだ。
そうわかっているにもかかわらず、ここにあるのは自分のせいで馨が泣いているという事実。
目の前の現実に、歳三は自身の腑甲斐なさを感じ目眩さえ覚えた。
そして思う。
叶うなら、彼女の笑顔を見たい、と。
彼女の笑顔を自分が作ってやりたい、と。