紙吹雪
ぎゅっときつく眉を寄せてから、その存在を確かめるように馨の肩へ顔を埋める歳三。
すると
「…っ…歳さ、ごめ…ふぇ…ごめんなさ…っ」
ふと、歳三の耳に聞こえてきた今にも泣きだしそうな馨の震えた声。
驚き僅かに顔を上げてみれば、零れそうになる涙を堪えようと必死に目を瞑り口をへの字にして顔を歪ませている馨の姿があった。
慌てて馨の顔を覗き込めば躊躇いがちに、しかしぎゅっと強く歳三の着物の裾を掴んだ馨の手。
小さなその手は、微かな震えを歳三に伝えて。
「嘘、だも…!関係な…なんて…傷つ、て…あんなこ……ごめ、なさっ…!」
息を詰まらせながらも無理矢理言葉を紡ぐ馨。