紙吹雪
「…なぁ、かお。俺に…お前のこと教えちゃくれねぇか?」
ゆっくりと吐き出した問い掛け。
同時にそっと馨の手のひらを包み込むように自分の手を重ねる。
この言葉を言うことに躊躇いはあった。
寧ろ躊躇いしかなかったかもしれない。
それくらい際どい質問。
一瞬、馨の肩が揺れるのを歳三の瞳は見逃さなかった。
馨が自分のことを話したがらないということは初めて会ったときから理解している歳三。
この質問に馨が過剰反応するであろうことも予想している。
それでも馨のことを知りたいと思う気持ちは抑えられなくて。
「いや、まぁ…無理にってわけじゃないんだけど…さ」
だからといって、無理強いさせたいわけではない。