紙吹雪
そう易々とその心の中を見せてくれるような相手ではないし、内に秘めているそれが馨にとって大切なことであるということはわかっている。
信じるって決めたのは俺なんだし…待つのも悪くねぇかもな。
思い立ったら即行動の自分が"待とう"などと思える日がくるとは。
想像もしていなかっただけに歳三の口から苦笑が漏れる。
それも全て馨に出会えたから得られたもの。
馨が言ってもいいと思ってくれたときに、馨の口から馨の言葉で聞くことが出来ればそれでいいのかもしれない。
それはきっと馨が歳三を信頼してくれた証にもなるだろう。
そして歳三の自信にもなる。
惣次郎が知っていて自分が知らないというのは些か気に入らないけれど、そう思えば幾らか落ち着く歳三の心境。