紙吹雪
つーか…やっぱ惣次郎のが知ってるの気に入らないのか、俺。
知ってはいたがなかなか強い自分の独占欲。
目の前で俯く馨の髪を撫でながらそんなことを考えていると、ふと僅かに震えたか細い声が聞こえてきた。
その音にゆっくりと視線を下ろす。
「……へん?」
声の主は勿論馨で。
「ん?もっかい」
小さくて聞き取れなかった言葉を聞き返そうと馨に顔を近付ける歳三。
それは互いの吐息が感じられるほどの距離。
そんな二人の距離に馨は恥ずかしそうに頬を染めながらもごもごと言葉を濁し目を泳がせる。
その姿に胸がきゅん打たれたのは歳三しか知らない。
そんな歳三の胸にぽすっともたれかかった馨は、再び口を開いた。