紙吹雪




勿論馨の両親も例外ではない。

寧ろこの家の当主であった二人が狙われないわけはないだろう。


無残にも散ってしまったのだ。

たった一人、幼い馨を残して。


残ったのはたまたま任務に出ていた一部の忍たちだけ。


遺体を誰より早く見つけたのも馨だった。

それは朝露が葉に落ちた、皮肉なほど清々しい朝のこと。


実行犯と首謀者はすぐさま幕府によって身柄を取り押さえられた。

当然といえば当然だろう。


絶対的な隠密機動部隊が壊滅に追い込まれたのだから。


そしてそこで暴かれた理由に幕府の上層部は息を呑んだ。



倒幕思想の組織による仲間の仇討ち。



それが立花を壊滅へ追いやった理由だった。

どうやら立花は幕府よりも早く倒幕計画に気付き先手を打っていたらしい。




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