紙吹雪
立花からそれを奪うなど、常人なら絶対に有り得ない。
立花の名を知るものなら尚のこと。
それは命を捨てるに等しい行為。
それでも奪ったというのならば相手は相当な手慣れか、或いは全てを捨てられるほどの恨みをもった者なのか。
どちらにせよ
『(一番初めの人は、もういないんでしょうけど)』
きっと初めにあの刀を手にした人間は、もうこの世には存在しないのだろう。
そういう刀なのだ。
代価に命を攫っていってしまう。
価値があると名高き刀。
それは良くも悪くも人の心を魅了する。
時に闇に魂を染めるほどに。
持てば誰もに狙われるのは必至。
だからこそ、立花が所持し管理していたのだから。