紙吹雪
「女っていったって七つも下だぜ!?俺の理想はもっと…こう…女らしくて色っぽい…」
言えば言うだけ言い訳のように聞こえる歳三の言葉に内心爆笑寸前の為二郎だが、歳三があまりに必死に取り繕うので敢えて見て見ぬ振りを続けている。
「と、とにかく…!かおは…かおはそんなんじゃない!すんごいちっさくて、笑った顔とか花咲いたみたいに可愛いけど、違う!」
もはや自分が何を言っているかわかっていない歳三は、とにかく力を入れて為二郎への否定を続ける。
「本当か?」
為二郎の問いにコクリと頷く歳三。
それを見て為二郎は一度考えるように腕を組み
「じゃあ次から歳は上石原村への売りは無しにしよう」
と告げる。
刹那、歳三の顔が固まった。
「……え?」
一瞬、為兄が何を言ったのかわからなかったが…困る。
それは困る。
だって俺はさっき、かおとまた会えると言葉を交わしたばかりで。
かおはそれに笑ってくれて。