紙吹雪
やべぇ…な、なんか緊張してる、俺。
理由のわからない緊張に、つい視線を落とす歳三。
三日ぶりを久しぶりと呼ぶのかどうかは謎だが、歳三にとっては久しぶりと等しいくらい長く感じた三日間だった。
馨は歳三の横にちょこんとしゃがみ込むと
「うん。三日ぶりですね」
と歳三の顔を覗き込むように笑う。
ほわっと柔らかく微笑む馨。
どきんっ
その顔を見た瞬間、心臓を撃ち抜かれたような錯覚に陥った歳三。
そして無意識こぼれ落ちた言葉。
「………可愛い…」
「……………………へ?」
歳三の言葉に目を見開いて馨が固まった。
間の抜けた馨の返事に、ハッと我に返った歳三は勢い良く立ち上がる。
な、ななななな!?
何言ってんだ、俺!?
え、言ったの俺だよな?
間違いなく俺だよな!?
む、無意識に…か、かか可愛い、とか…えぇぇえ!?