紙吹雪
「…あー…かお…?」
思い切って声をかけてみるが馨からの返事はない。
…え、もしかして引かれ、た?
歳三の体に嫌な予感が駆け巡る。
反応のない馨に内心焦りながらも、ちらりと馨を盗み見る歳三。
だが、視線の先には予感とは真逆の…歳三の期待を張るかに上回った表情があった。
「かお…真っ赤…」
耳まで真っ赤に染め、呆然と歳三を見つめていた馨は歳三の声に
「…へ!?あ、あの…ごめんなさっ…そ、その…慣れてなく、て…」
と赤い頬を小さな両手で隠しながら俯いてしまう。
きゅん…
そんな行動も歳三から見れば悩殺もので。
可愛くてたまらない。
心臓の真ん中辺りがギュウッと締め付けられる。