紙吹雪
「…歳さんの、たらし…」
照れ隠しなのか口を尖らせ拗ねる馨。
「…うっせぇ」
それがあまりに愛しくて。
…もー…
何でこいつはやることなすこと全部可愛いかな…
歯止めも…出来なくなるんですけど。
悶々としながら再び馨の肩に顔を押しつける歳三。
「…あの、さ…かお。ちょっと悪いんだけど」
「は、はい…?」
「…止まんなそうなんで…嫌だったらどうにか突き飛ばして?」
「……は、ぁ…?」
馨はいまいち状況をわかっていない様子だったが、歳三にそれを説明している余裕はない。
歳三は馨と視線を交じらせるよう顔を持ち上げ、右手で馨の髪に触れた。