紙吹雪
優しく撫でていたその手がゆっくりと顔に近づく。
歳三の指が馨の泣きぼくろに触れたとき、一瞬馨の体がピクッと震えたが突き飛ばしてくる気配はない。
そんな馨の小さな動きさえ歳三の心搏数を上昇させて。
あー…もうやだ。
まじでなんなんだ、この可愛い生き物は。
心の中で幾度となく可愛いを連発しながら、歳三は優しく目尻を撫でるとそのまま口元まで手を滑らせる。
同時にするすると指は唇をなぞった。
…やばい。本当にやばい、俺。
思ったとおりの柔らかな肌と唇の感触に歳三の衝動はもう止まらない。
流石に何が起こるかわかったようだった馨だが、抵抗する素振りは見せなかった。
歳三はゆっくりと馨に顔を近付ける。
もう…ここまできたら突き飛ばされよう嫌がられようが止まれねぇ。抵抗しなかったかおが悪い。
馨がギュッと目を瞑り、歳三も目蓋を伏せ小さな唇へと近づいていく───…