紙吹雪
《初めましての二人》
「随分楽しそうだな、歳」
その距離あとほんの僅か─…
という時、歳三の後ろから聞こえた聞き慣れた声。
ほぼ確実であろう嫌な予感が歳三の脳裏を巡る。
嫌な考えを振り払いそっと後ろを振り返れば、立っていたのは親友・島崎勝太。
誰よりも先に歳三を焚き付けた人物だ。
「うっわぁぁぁ!?かっかか勝っつぁん!?」
思いがけない親友の登場に歳三はバッと馨から手を離す。
「いっいいいいつから其処に居たんだよ!?」
「さぁ、いつだろうな」
あからさまに挙動不審になりながら言葉を噛みまくる歳三とは対照的に、勝太はニヤニヤと卑しい笑みを口元に浮かべながら歳三を見ている。
その顔に歳三は確信した。
「おまっ…全部見てただろ…!!」