紙吹雪




勿論、馨の視線に歳三が思っているような意味合いなど微塵もないのだが。



「おい、歳。お前、それはあんまりじゃないか?」



勝太は呆れたように言うと歳三の頭を平手で叩く。

親友に対してそんなん無駄だは酷いだろ、と異を唱える勝太に歳三は叩かれたところを左手で押さえながら口を尖らせた。


そんな勝太と歳三の様子を見ていた馨は何か閃いたように顔を上げ



「…もしかして、上石原の道場の…?」



と首を横に傾げながら勝太に問い掛ける。


馨の問いに満足そうに頷く勝太。


勝太が頷いたのを確認した馨が歳三に視線を向ければ、歳三は渋々といった表情で口を開いた。



「…かお。前に言ってた試衛館の養子の島崎勝太。年は俺の一つ上な」



馨は歳三の言葉にうん、と小さく頷く。




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