紙吹雪




…あー…可愛い。


…俺、今日一日で何回可愛いって言うんだろ。




「歳!俺にも紹介してくれよ」



歳三が一人馨の顔を見ながら頬を緩めていると、勝太が急かすように歳三の肩を肘で突く。


歳三は心底嫌そうに顔を歪めながらも、馨の手を取り勝太に向き直った。



「……馨。惣次郎と同い年。以上」



出来るかぎり短い説明で事を終えようとしている歳三。


何故だか秘密にしておきたかった馨の存在。

俺だけの、秘密にしたかった。


会わせたくなかった、という心情がありありと顔に出ている。

無論、歳三にはそれを隠すつもりなど毛頭ないのだけれど。



「おぉ!惣次郎の奴と同い年ってことは、今年で十か!初めまして。島崎勝太といいます」



しかし、勝太は嫌がる歳三などお構いなしに人の良さそうな満面の笑みで馨に歩み寄った。




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