紙吹雪
「あ、初めまして。馨です」
馨も勝太に向けて深々と頭を下げて挨拶する。
妙に礼儀正しい馨に面をくらいながらも、勝太はよろしくと微笑んで馨の前にしゃがみ込み
「ははっ!やっぱりまだ小さいなぁ」
と言って馨の頭を撫でた。
ぐしゃぐしゃと乱れる馨の髪。馨はくすぐったそうに身を捩る。
ばっ…!や、やめろ!!
そんな二人のやり取りを見ていた歳三はガバッと勢い良く馨を抱き上げた。
「─────ッ!」
真っ赤な顔をして馨を勝太から引き離す歳三。
驚いたのは突然担ぎ上げられた馨と、それを見ていた勝太だった。
馨は何事かわからないと言いたげに首を傾げていたが、勝太は歳三の行動を信じられないというような表情になっている。
「別に取って食ったりしないぞ」