紙吹雪
ときどき言葉に詰まりながらも心境を告白する歳三。
俯いているため表情は見えないが、僅かに覗く耳は火照るほど赤く染まっている。
まさか百戦錬磨の歳三からこんな悩みを聞く日がくるなど勝太は夢にも思っていなかった。
歳三自身だって、自分がこんなことを相談する日がくるなんて想像したことすらない。
「…勝っつぁんは?勝っつぁんは人を好きになるとどうなるんだ?」
歳三は縋るように勝太を見つめ、問い掛ける。
先ほどいきり立って見えた耳と尻尾は今やへたりと垂れ下がっているようで。
「お、俺かぁ…?」
突如求められた自らの恋愛論に、どうしたもんかと歳三から目を逸らし頬を掻く勝太。