紙吹雪
語りだしたら止まらないとはこのことか。
まるで湧き水の如く次から次へと言葉が溢れだす。
「おっおい。少し落ち着け、歳」
予想以上の勢いで話し続ける歳三に、さすがの勝太も焦った様子で歳三の話にまったをかける。
その声に何とか落ち着き始めた歳三。
そんな歳三を見て勝太は深く息を吐いた。
よかった…本気で焦ったぞ、俺は。
勝太に宥められ漸く平常心を取り戻した歳三は握っていた拳をゆっくりと開き、先程とは対照的な小さな声で勝太に話し掛ける。
「……俺もさ、勝っつぁんみたいに…笑っててほしいとは思うんだぜ?」
それは嘘じゃないんだ…と続ける歳三は次の言葉を躊躇うように口を閉ざした。