紙吹雪
歳三の様子に首を傾げる勝太。
「どういうことだ?」
言ってみろ、と勝太は歳三の肩を叩き続きを促す。
歳三は一度目を固く閉じると深く息を吸い
「…離したくなくなるんだ…っ!」
と一気に言葉を吐き出した。
勝太はその言葉に目を見開く。
悪く言うつもりはないが、歳三の恋愛は今まで、来るもの拒まず去るもの追わずが基本だと勝太は思っていた。
その歳三が自ら"離したくない"と言っている。
歳三の口からそんな言葉が出るなんて。
ゆっくりと瞼を上げると俯きながら苦しげな声色で言葉を紡ぎだす歳三。
「…一回捕まえたら離したくない。傍にいたい。出来るなら、ずっと俺の傍に居させたい」