紙吹雪
それはもはや独り言のようで。
追うように顔を上げ馨の歩いていった先を見つめる歳三の瞳には戸惑いと憂いの色が浮かぶ。
「…どっか…どっか、閉じ込めちゃいてぇんだ……俺以外の男の目に触れないとこに…」
そうすれば…と呟く歳三の口元は自嘲気味に歪んでいた。
そんな歳三の姿にひたすら驚いていた勝太だが、同時に嬉しくも思う。
まさかこんな日がこんなに早く来ようとは。
勝太は嬉しそうに目を細めると
「歳、好きの形なんて一つじゃねぇんだ。お前のその感情だって十分"好き"だと思うぞ」
とぐしゃぐしゃと歳三の頭を撫でる。
「…これ、が…?」
頭を撫でられながら不安そうに勝太を見る歳三。不安げな歳三に勝太は柔らかく微笑んだ。