紙吹雪




だって餓鬼って…取り押さえられなかった奉行所の負け惜しみかもしれねぇし。

まぁ、惣が疑われてるってのだけは真面目に聞いてたけどな。




そんな会話をしているうちに試衛館に着いた二人。

すると中から




「先生っ!お帰りなさい!!」



と二人のもとに小さな男の子が大急ぎで走ってきた。


せっせと走ってきた彼の名は沖田惣次郎。


背丈は馨より少し大きいくらいで、ずば抜けて容姿がいいというわけではない。
年相応に遊びや悪戯もする彼だが、それでも人懐っこく温和な惣次郎は歳三や勝太に忠実でとても真面目だ。


そしてなにより剣を振るうことをとても好んでいる。


恐らく同年代には敵無しだろう。


それは惜しむことなく続けられる彼の努力の賜物。




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