紙吹雪




そんな惣次郎が疑われているというのは、やはりいい気がしない。




「お、どうしたんだ惣次郎。そんなに慌てて」




歳三たちの前で肩で息をする惣次郎。その視線とあわせるように勝太は惣次郎の目の前にしゃがみ込んだ。

惣次郎はケホケホと何度か咳き込むと大きく深呼吸して漸く口を開く。




「あ、の、それがですね……あっ土方さんもいらっしゃってたんですか!」

「何だお前。俺の存在を無いものとしてたのか」




惣次郎の言葉に歳三は邪険そうに顔を顰める。

じとっと睨めば惣次郎は違いますよ〜とブンブン首を横に振った。




「そっそうじゃないんですよ!…あ、でもちょうど良かったです。とりあえず中に入ってください」




惣次郎は困ったように歳三に笑いかけた後、二人の腕を引き道場内へと歩きだす。




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