紙吹雪




周平が作り出す真剣な空気に歳三と勝太は息をのむ。




「実はな、噂の物取りをよ…捕まえてほしいんだ」




…物取り…?




周平の口から出た内容は意外なもので。


ここに来るまでの間話していた例の犯人を捕まえに行けと言われた二人は僅かに動揺した。

まさか、つい先程まで話題に出ていた物取りの話だなんて微塵も思っていなかったのだ。


驚きに身を固くする二人を見つめながら、周平は真面目に話を続ける。




「今日は新月でな。お前らも知ってるだろうが、最近ここらじゃ惣次郎なんじゃねぇかって噂で持ちきりなんだよ」




恐らく噂を流したのは惣次郎に剣で負けた子どもたちだろうが、それが大人に触れれば嘘も真のように囁かれるもの。




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