紙吹雪




つまりは、この新月の日に本物の物取りを捕まえて、惣次郎の汚名を晴らそうということらしい。




「俺が行ければいいんだが、何せそう若くねぇからよ。物取り追える自信はちょっとな……それに、お前らだって惣次郎が悪く言われんのは納得いかねぇだろ?」




その周平の言葉に二人は大きく頷く。



末っ子の二人にとって、惣次郎は本当の弟のような存在。

そんな彼を悪く言われるのは、到底許せることじゃない。


二人は顔を向き合わせてお互いの意志を確認するともう一度頷きあった。




「わかりました、父上。必ずやってみせます」




真っすぐに周平を見ながらそう告げると、勝太は再び額を床に当てる。


勝太のその言葉に満足気に首を縦に振る周平。




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