紙吹雪




そして




「あぁ、頼むぞ……で?歳はどうなんだ?」




周平は勝太の横で戸惑いがちに頭を下げている歳三に向き直った。


歳三は困ったように視線を彷徨わせた後、不安を滲ませた瞳で周平を見上げる。
言いにくそうにその口元を歪めてから意を決して口を開いた。




「…あの…俺も、いいんですか?…だって…俺…」




そこで言葉を切ると、視線を落とし俯いてしまう歳三。




歳三がそう言うのも無理はない。


歳三はこの道場の門下生ではないのだ。



やる気は十二分にある。惣次郎を悪く言われたくない気持ちも勝太と同じ。


それに嘘はなかった。



しかし、あくまでも歳三は勝太の友人であり、道場内の話に首を突っ込める立場ではない。




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