紙吹雪
いわば歳三は完全なる部外者なのである。
歳三は俯きながら申し訳なさそうに眉を下げた。
すると
「なぁに寝呆けたこと言ってやがんだ、歳。うちの門下生とか、んなもん関係ねぇ。俺ぁお前だから頼んでんだぞ?一人の男として」
だから、ちっせぇこと気にしてんじゃねぇ!と周平は歳三に向かって一段と大きく笑う。
その笑顔はどこか勝太に似ていた。
そんな周平の台詞に歳三は目を見開く。無論それは、驚き以上に嬉しさからくる反応で。
"一人の男として"
その言葉は歳三にとって何より嬉しい言葉だった。
笑う周平に向かい顔を上げる歳三。
その瞳に先程までの迷いはない。
「…はい!頑張ります!」
歳三は深く息を吸い、真っ直ぐ、そして力強く周平の言葉に頷いた。