紙吹雪
変わらない現状をどうにかすべく歳三が提案した打開策。
少なくとも今のこの状況よりは効率がいいはずだ。広範囲を短時間で見回ることも出来る。
「…んー…そう、だな。そうするか」
別行動をとることは危険を伴う可能性があるため少々悩んだ勝太だったが、このままでは埒があかないと判断したのか歳三の提案に頷いた。
「それじゃあ見つけたらこれを打ち上げることにしよう」
そう言って勝太が歳三に手渡したのは何かあった時にと用意していた簡易花火。
これを打ち上げれば、互いの居場所はすぐに分かる。
よく悪戯に使ったこれをこんな風に使う日が来るとは。
「おう!んじゃ勝っつぁん、気を付けろよ?」
「歳もな」
お互いに激励しあった後別々の方向に歩きだした二人。
二人の背中はすぐに闇の中へと消えた。